瑞穂の国日本
天皇制がなかったらー松下幸之助の天皇観4
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作成日時 : 2006/12/23 22:39
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今度の太平洋戦争において、日本は連合軍を相手に四年近くにわたって戦いましたが、実力のちがいはどうすることもできず、本土決戦による玉砕か、無条件降伏のいずれかという重大な岐路に立たされました。この時、指導者の中には、降伏しかないと考える人もあれば、まだ戦争を続行すべきだという強行論をとる人びともあって、容易に結論が出ず、ついに天皇の裁断にまつことになりました。前にものべましたように、戦前の日本は天皇の親政でしたが、それはいわゆる独裁君主でなく、憲法に基づく立憲君主制でした。つまり天皇が議会なり内閣の補佐により、憲法の規定に基づきつつ政治を行うようになっており、実際にも、議会なり内閣が決定したことを、天皇の独断で否決するということはしないような慣行になっていたといわれます。したがって、太平洋戦争の開戦については、内閣はじめ当時の指導者の人びとが一致してそう決定したことを天皇はそのまま承認されたのです。しかし、終戦の時には、その内閣なり指導者の人びとの間で意見の一致がみられず、そのために天皇の裁断によって決定されることになったわけです。そこで天皇は、もはやこれ以上の犠牲を出すにしのびないというところから、連合軍のポツダム宣言を受諾し、無条件降伏の詔勅が出されたのです。そして、その詔勅が出るや、それまで戦争続行を強く主張していた人びとも納得し、まとまりにくかった空気がピタリとおさまって、戦争は終結しました。同じ第二次大戦の敗戦国であるドイツの場合、国土が戦場と化し、首都ベルリンが包囲攻撃され大きな犠牲をはらった後で、最高指導者であるヒットラーが自殺してはじめて戦争が終わったのとは大きなちがいがあります。天皇制というものには、それだけ大きな重みがあったわけで、もし日本に長きにわたる天皇制の伝統がなかったら、国民の心もあの危機にあたって一つにまとまらず、あのようにスムーズに戦争を終結させることはできなかったのではないかと思います。実際、連合軍側にしても、それまでの日本軍の死を恐れぬ勇敢な戦いぶりから、日本は本土決戦を選ぶかもしれない、だからそれを武力で占領するには、非常に大きな犠牲を払わなくてはならないとも考えていたようで、それが詔勅一つできわめて平和裡に終戦となったことにおどろいたともいわれています。そして戦争が終わっても、天皇制というものは存続しているわけです。日本が連合軍によって占領された時、連合軍の中には天皇を戦争の責任者として罰すべきであるという考えもあったようです。よく知られていることですが、終戦後間もなく天皇は連合軍総司令官のマッカーサー元帥を訪問されました。その時天皇は、「戦争の責任はみな自分にあります。だから私を罰してほしい。国民は許してください。」という意味のことをいわれたということです。そしてマッカーサー元帥も、その立派な態度に深く感銘したと後でその手記に書いています。これは全く天皇のお気持ちから出たものだと思います。そして、それは単に天皇個人としてのお考えでなく、天皇家の伝統の精神がそこにあらわされていると思うのです。そして、いずれにしても連合軍は天皇を戦争責任者として罰することをしませんでした。のみならず、天皇は、新しい民主主義憲法において、国民の総意に基づいて、「日本と日本国民統合の象徴」として定められ、一つの日本的な民主主義のあり方がそこに生まれたのです。同じ第二次大戦で敗れたイタリヤや、ソビエトによっていわゆる解放されたルーマニヤ、ブルガリヤなどにおいては、国民は王制の廃止を望み、決定しています。さらにさかのぼれば、第一次大戦において敗れたドイツ、オーストリアの両国においても同じように皇帝は廃位となっているのです。そのように多くの国ぐににおいては、敗戦という一大難局にあたって、王制が廃止されているのに対し、日本においてはそういうことにはならず、むしろ天皇を精神的中心として、あの危機に処し、日本の再建がなされたわけです。昭和二十一年元旦の「新日本建設に関する詔勅」にも、「天皇と国民の間は終始相互の信頼と敬愛とによって結ばれてきた」という意味の一節があります。この内容はまさにこれまでに述べてきたことを示すものだと思います。そしてまた、そういうところに日本の天皇制の根本精神があり、それが諸外国の場合とちがって、敗戦という危機にもかかわらず天皇制を存続せしめた力となったのだと思うのです。
「日本と日本人について」PHPより
今一度、日本人は天皇家あっての今の日本の平和があることを再認識し、天皇家を中心に国民共々が強い団結力をもち、助け合う一大家族のような国にしていかなくてはいけないのではないのでしょうか。もしそれができなければ、いずれ日本は女王蜂のない蜜蜂がばらばらになるように、衰退に向かうかもしれません。今がその大きな転換期のように思います
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